Parker Televisor

(1932〜1945 Sale)

 
       
       
「FP、SP of 1930」 「落ち着いた柄」 「1部分透明なセクション」

 今回紹介する万年筆は、1932年から製造販売された「Parker Televisor」ある。しかし、このペンは、カナダのトロント工場で製造され、イギリスで主に販売されていた。 そのため、日本で入手するのは中々困難なことであった。この「Parker Televisor」の構造や機能はこのペンの発売当時販売されていた
Parker
 Challengerチャレンジャーに類似した構造 となっている。
 
インクフィラーは、ラーキーカ−ブ・ペンで導入されていた尻ノックのボタンフィラー 方式である。クリップ もラーキーカ−ブ・ペンのものとよく似た形で、「PARKER」と書かれている上のパテントナンバーが無いものが取り付けられている。キャップトップは黒いプラスチック製の半球形をしたTassies(天冠) となっている。このtassieのデザインがこの時期の万年筆には珍しいものである。
 
       
「オーソドックスなクリップ」 「14KのNib」 「半球形のtassies


 
デザイン的にはブラック仕様と魅力的な 「キャンディー・ストライプパターン」を作っているものと銀色や真珠色にハイライトされる様々な色合いの模様を導入している。直線的なデザインの「Parker Challenger 」よりも、丸みを持たせて、全体に優しくて落ち着いた雰囲気の万年筆となっている。
 特徴があるのはセクション部分で、琥珀色した透明な部分が取り入れられて、インク表示窓となっている。
 Nib(ペン先)は、14KのオープンNib である。このペンで筆記してみると、比較的堅い感じがした。Nibには「PARKER  FOUNTAIN  PEN  CANADA  14K  N 」とインプリントされている。
 

       
「3重のキャップバンド」 「ボタンフィラー」 「by Schiffer publisher

 キャップクリップは
PARKERとだけ彫られたシンプルなものであり、キャップには、3つのニッケルメッキされた装飾バンドが備えられている。
 この
「Parker Televisor」の製造販売について、1932年であるとか、1933年であるとか、1945年の1年間だけであるとか色々な説がある。コレクターズブック「Pens and Pencils」  by Regina Martini に記述されているものは全て1945年と記述されている。このために1945年の1年説が生まれたのではないかと思われる。
 
       
Pens and Pencils より」 「BlackのTelevisor」 「初期のTelevisor?」

 その他色々調べてみても、「1936
年に市場に出されたモデルライン」という表記もある。万年筆の尻ノック方式のボタンインクフィラーが導入されたものである。従って1920年代後半の構造であることなどからみても、1930年代遅くとも「Parker Challenger」の発売された1936年以前であると言えよう。
 
されに調べているうちに「Parker Televisor」の初期のデザインと思われる写真が見つかった。(上の右の写真参照)Tassies(天冠)や尻ノック・ボタンカバーのデザインや形状は、1920年後半から30年代前半の頃のラッキーカーブのものと同一である。このことからも、1930年前半に製造開始されたものであると言えよう。
 「Parker Televisor」には、Red、Green、Gray、Blackの4色に、largeとsmallの8種類が作られたようである。
         

「Blackのlargeとsmall」

「GrayのlargeとsmallとSP」