Parker True Blue


  1926年に製造販売された
 

 
     
       
  「清楚なデザイン」   「目立つ存在の万年筆」   「Duofold調のスタイル」  

 
1926年代に米国で作られた 「Parker True Blue」万年筆は、流れる水のようなデザインである。この万年筆は、丸い玉の付いたキャップクリップと二重のキャップリングを持っている。万年筆の色は写真のように、青と白(経年変化で乳白色)の縞や、渦巻き模様で ある。このペンは1926から作られ30年代に かけて世界中で販売された。
 白色がきれいで程度の良い
「True Blue」は貴重である。というのは 、この万年筆を長年使用してきた状態では、白い部分がインクサックのゴムで化学変化をおこして変色してしまうからである。このために、「Parker True Blue」のキャップは、バレル(胴軸)部分より原色をよく残しているのである。
 
「Parker True Blue」はきれいな縞や渦巻き模様がみられる。明るい青と白(乳白色)のコントラストが、万年筆に優雅さを醸し出している。この 「True Blue」には、弾力性のある中型のオープンのペン先(Nib)が着いている。それは当時の「Duofold」と同様に、非常になめらかな書き味 である。この万年筆の本体が、小型軽量に作られていることから、クリップのキャップのものはジュニアー向きであろう。そして、リングキャップのものは女性用に開発されたものと言えよう。
 
       
  「中型のオープンNib」   「同年代のNibの比較」   同年代の大きさの比較  


 キャップやバレルの原材料は、プラスチックである。キャップのクリップやキャップリングは
14金張りで、ペン先(Nib)は 14Kである。Nibの太さは明記されていなく、使ってみたところM程度であった。インクフィラーは、尻ノックのボタン式ある。
 万年筆の大きさは、キャップを閉じた状態で、113 mm 、キャップの直径は12 mm と小型である。ちなみに、同じ万年筆でキャップの代わりに天冠に鎖がつけられる女性用のタイプも販売されていた。
 Permanite(プラスチックの一種)は程よく艶が出るので、万年筆全体が非常に明るくて輝いているようにみえる。青地に白(乳白色)の縞や渦巻パターンは、非常に魅力的であ る。そのため、多くの女性に人気があったと思われる。
 1920年代後半からのParker Penは、ほとんどがボタンフィラー方式を取り入れていた。バレル(胴軸)エンドのボタンによるインクフィラーの扱いは、非常に簡単な操作で使用できる 。だから、多くのユーザーに大変重宝がられていた。その操作方法は、先ず、バレル エンドにあるキャップをはずす。次に、ペン先をインク瓶に入れたまま、ボタンを押す。そのとき、バレル内にあるゴム製のサックが鉄の圧板に圧迫される。押したボタンを放すと、ゴムサックが元の形に戻ることにより。インクを吸い込むのである。
 このボタンフィラーは、さらに改良されて、「Vacumatic」と呼ばれるようになり、「Parker 51」の初期のものに(1948年頃)まで導入されたのである。
 

       
  「二重のキャップリング」   「バレルの彫刻文字」   「リングトップ仕様」  

 今回、紹介できたこの「Parker True Blue 」は、万年筆の交換会で知り合った方から寄贈いただいたものである。小生が 古い万年筆を大事にし、修理のできることを知っておられたことから、小生に託されたのでしょう。Y.Kさんの好意に感謝いしております。ありがとうございました。有効に役立てさせていただきます。

 

【 追 加 】◆ Parker True Blue pencil Gold ring top◆   (07'  01- 08 )


 「Yahoo」のオークションに
「Parker True Blue」のリングトップのシャープペンシルが出品された。あまり多くない品物であり、早速、入手した。この当時(1920年代)の万年筆の多くは、インク嚢のゴムサックと反応してバレルが変色している。販売当初の鮮やかな色合いをした万年筆は大変少ない。そんな点、シャープペンシルでは変色の影響を受けていなくため、鮮やかな色合いを残している。下の「True Blue 」の写真を見てほしいと思います。
 

「色鮮やかなシャープ」 「上 万 年 筆」
「下 シャープ」
「1.01ミリの芯」

 この万年筆やシャープペンシルは、およそ80年前のクラッシックなものである。しかし、古さを感じさせない斬新なデザインで、非常に稀少な「Parker True Blue SP」である。胴軸の彫刻には「PARKER  MADE  IN  U.S.A」とインプリントされている。全長は約122mmのリングトップスタイルで、太さ1.18mmの芯を使用している。
【 追 加 】◆1926  Parker True - Blue       (07'  03- 15 )
「3本のTrue-Blue」 「天冠の形状」 「クリップの玉の大きさ」

 最初に紹介した「True Blue」は、四国の方からインクサックがないし、ボタンフィラーも----。と言うことで、寄贈いただいたものであった。3本の写真の真ん中の万年筆である。早くからインクサックが外されたためなのか、他の2本に比べると変色が少なく、青や白 色が鮮やかである。
 拡大した真ん中の写真を見てください。キャップより胴軸の方が変色が著しいことから、インクサックのゴムの影響による変色があったことは明確である。
 キャップリングや全体的なデザインも同じである。製造された時代は1920年代後半であろうと思われる。しかし、僅かずつデザインが変えられている様子も見て取れる。「天冠」「キャップのクリップの玉の大きさ」「セクションの形状」「ペン芯の形状」などに変更が見られる。
 
「セクションとNibの形状」 「ペン芯の形状」

【 追 加 】◆1927  Parker True  Blue     
 (09'  01- 08 )
 

 今回の追加はシャープペンシルである。このページの最初の追加で、リングトップのシャープペンシルは紹介してあるが、今回はクリップ方式のものである。
 
「左の5本のTrue-Blue」 「規格はリングトップと同じ」 「トップのキャップ」

 1927年頃にに製造販売されていた「Parker True Blue 」のクリップスタイルの万年筆である。これは、2007年10月発売された「
Duofold True Blue」の元祖である 。上中央の写真でも分かるように、リングトップもクリップ式も同じ規格である。クリップの有無とトップキャップの形状が異なっているだけのことである。
 芯の出し入れはトップキャップ部分の回転でおこない、キャップをはずせば消しゴムが使える。芯の太さは1.01oの太いものである。
 当時のラッキーカーブペンと比較すると7oほど長い。写真のようにシャープペンシルの方が長いので、万年筆とのセットとして販売されていたようには思えない。上左の写真の右から2番目と3番目、4番目と5番目のセットを観るとほぼ同じ長さであり、セット品であったと考えられる。
 
「胴軸のインプリント」 「1.01ミリの芯」