SONNET  Gift Set
 

The  Parker  Collection

  "Cisele"


2004年発売

 

《Sonnet Cisele》

「Gift Box」 「Setの内容」 「Setの紹介文」
 

 1988年にParker社は、常用の万年筆として長年販売されてきた 万年筆「Parker 75」の後継機種を開発することに着手した。その基本計画は、まもなくやって来る21世紀をターゲットにした取り組みであった。1990年に入って、開発責任者には Jim  Hancock氏、デザイナーには、Geoff  Hollington氏を中心にして開発が進められた。そして、ついに1993年フランスのメルー工場で新たな 万年筆の「Sonnet」シリーズが誕生した。その万年筆は、高品質で、高い価値がありながら手頃な価格という三拍子のそろった新たなシリーズとして誕生した。( 日本では1993年11月に発売となった。)
 1993年に販売されたのは、9種類の「Sonnet」であった。その中に「Sterling Silver Cisele 」として、今回紹介の原型が販売されていた。しかし、このときの「Cisele」のキャップリングは10mmほどある太い物であった。(最下段の左の写真参照)「Sonnet」の全体的な仕様については、先に紹介している「
  ソネットシリーズ (9種類)」を参照されたい。

 
       
「セットのペンマンインク」 「Nibのデザイン画」 「Open Nib」

 「Sonnet  Cisele」の初期の物から比較してみると、不思議なことが見つかる。キャップリングについては下の写真のように、「Cisele」においては徐々に細くなり、デザイン的にも洗練されたものに生まれ変わっている。これは、「Sonnet
Laque Black」のデザインも同じようになっている。一番変わっているのは、下の中央の写真をよく見ていただきたい。写真の上(初期Type)では、格子状の黒い模様部分は凹んでいません。従って、手にした感触もすべすべして、表面はなめらかな感じである。一方、1997年にバージョンアップされたものからは、黒い格子模様は凹んでおり、手触りも滑りにくいものに変わっている。
 
今回、紹介しているGift=Setのキャップリングには、「古い商標」や「銀製の保証マーキング」「名称」などがキャップと同質(銀)のリング部分にインプリントされている。そして、その下に1mm幅の23Kのリングが付けられている。
 
左から「今回のSonnet」 「上 初期のCisele」 「今回のCiseleのキャップリング」
「2003年のSonnet」 「下 1998年以降のCisele」
「1998年のSonnet」
「1993年のSonnet」


 このキャップリングの形状と同じような製品が1993年に香港で販売されている。それは、Parker社創立115周年の1993年に「Sonnet Memorial Edition」として、「Sonnet Pink-Gold Cascade」と「Sonnet  Sterling Silver」が限定販売がなされた。しかもその数は半端なものではなかった。Cisele ST の万年筆が3000本 、ボールペンが1500本であった。この時に製造されたものと同じもののようである。ただ、クリップや、キャップリングがGold仕様のGTかWhite gold仕様のSTかの違いである。当時の香港では、115thの万年筆が31,500円、ボールペンが21,000円で販売されていた。このことから、今回紹介したSetもこれらと同等の値段で売り出されたものと思われる。