いーめーる教育談議 10回(1999.10.18)

赤いジャージは毒の色?

 ボクは、昔から、学校の中で赤い上下のジャージを着ることが多い。本当は、スーツやネクタイだって一応持っているのだが、持っているだけで流行が遅れて着るチャンスがなくなってしまう。このジャージ(つまり、トレーニングスーツの事)は、蛍光の明るい赤で、最初着た時、あまりの派手さに、職員室が沈黙した。ワインレッドくらいならよく見るので慣れていて、まあいいけど、教員のまっ赤のジャージはあまり見ない。今でも初めての人はギョッとするくらいの、派手派手な御召し物になっている。
 このジャージを選んで着たのは、スポーツ的に好きな色が赤だからだ。理由は、イギリスのアーセナルというサッカーチームのユニフォームの色という単純明解なこと。ちょっと体育会系の話になるが、ボクは高校からサッカーをしていて、自分達のチームがアーセナルのようにかっこよく強くなることを願っていた。スポーツ少年のボクは、中途半端な穏健派的薄黄色の高校ユニフォームが嫌いで、何とか赤にする努力をしたが、予算の関係上ダメということで、それなら自分で作って着ようと思った。クラスの女の子に作ってくれないか?と頼んだのだが(そころはジェンダーフリーの意識はないので)、ひどい裁縫技術で即座に断念し、自分でやることにした(結果的にはジェンダーフリー??)。ちょっと恥ずかしいが、去年、渡英した妹に本物を買ってきてもらった。けれど、ワクワクして、学校で着て、子ども達に「どうだっ!」と言って見せているへんなおっさんになってしまっている。
 「アカ」というのは、ボクの住んでいる日進市では、某革新政党の事でなく、御上にたてつくふとどき者という意味で使われ、ボクもよく言われた。最近はそんなことも言われないが、時々「アンタはアカか?」とおじいさんやおばあさんに揶揄されると、「いいえ、まっ赤っかだワ!」と言うことにしている。すると、「ほー、そうかぁ」と感心してくれたりする。だんだん、今の学校でも、「赤が似合う」といういう正しい社交辞令をボクに言う人が増え喜ばしい限りだ。ボクが赤が好きだというと「赤は血の色だ」とか「赤は熱情を表す」という人がいる。なんでもええじゃんか。そう言えば「岡崎さん、アンタ血液型なにぃー?」と聞くので「A型だ」というと、「やっぱり!」とか「うそだぁー」という人がいる。あのつまらん血液型暇つぶしは、なんとかならないものか?AB型なんていつもコケにされているぞ。怒れよ!AB。
 さて、赤いジャージはまだまだ当分着れそうなので、うれしいが、ちっとも色があせないのも、コワイ。「この赤色は毎週洗濯の後、自分の血で染め直しているのだぞぉ」というと、数人の子どもは本気にしているようだ。でも、まずいこともある。先日も、そのジャージで、空き時間におやつをコンビニへ買いに行ったら、地域で「赤いジャージのオカ先が、空き時間にメロンパンとカフェオレだってぇ」と噂されてしまった。赤い色はちょっとアブナイ色なんだよな。中身が色あせないように、肝に命じるきょうこのごろであった。

(1999−10−18)


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