名古屋市教委交渉19回報告

 またまた、定期交渉がやって来た。ボクは窓口として、若干うんざり、若干楽しみな時期だ。
 今回は、今、話題の「少人数指導方法工夫改善実施計画」のための話し合いをしようと思ったら、議題にしないと言ってきたので、ボクは「議題にしないけど話題にするよ」と言って交渉に臨んだ。
 全国的にこの「指導方法工夫改善」の実施計画書は、文部省からの依頼のようだ。かいつまんで言うと、「教育改革」で少人数授業をしなきゃいけないので、文部省は「こんな計画で来年度はやるつもりですから、予算を下さいね大蔵省さん」という筋書きである。で、当然、各地で実施する予定の少人数学級の計画を出しなさいということで地教委へ、計画書の提出が「命令」されているらしい。
 結論から言うと、

  1. 少人数学級の実施のために、加配をしましょう。
  2. でも、今以上に、一生懸命やっていくよ!という「計画」が欲しいので来年は、一人当たりの授業時数もたくさんにして報告して下さいね。
  3. 結論的にいうと、小学校の教員は、空き時間もなくなり、二〜三時間持ち時間数が増えるらしいという噂をばらまいている。
 交渉の中で、「持ち時間数が、二時間くらい増えるというのがあるが、本当か?」というと、奥谷管理主事は「多分そんなもんだろう」と答える。これを、柳田管理主事は「勤務時間が増えるわけではないから、工夫してやるんです」??というので、なんのこっちゃと問うと、勤務時間の割り振りなど、時間が増えるわけではないので、「労働強化にはならない」というのである。
 おうおう、柳田校長や奥谷校長の学校に勤務したいもんだと思う。持ち時間数が増加して、労働が強化されないなどという陳腐で非常識な論議がまかり通るのが名古屋市教委らしい。
 持ち時間数が増え、教育改革であたらしい内容に取り組み、学校の体制もフレキシブル(少人数学級編成などで学級数が色々変化する)になり、いろいろ準備や研修が必要になるのに、勤務が八時一五分から一七時までで変化無し?が「回答」?。
 要するに、文部省の垂れ流しをしているのだが、簡単に言う と、勤務時間が土曜日分減ったけど、その土曜日分の授業と学校裁量分(名古屋では「創意の時間」)は、平日にやってくれ。でも、子どもの授業を増やすことはできないから、何処かの学級にいって、複数の教員で授業をやりなさい……それが、少人数学級になるでしょう。と、いうことだ。
 こうした、実態を無視した授業計画で、どうなるかといえば、
  1. 空き時間がなくなる。→ノートを見たり、授業のプリントを 刷ったりの準備がなくなる。
  2. TTや少人数学級の打ち合わせが増え、ますます、授業や学級の生活指導などができなくなる。
  3. 今でさえ、持ち帰りと居残りで維持している学校の仕事を、これ以上強化することはとんでもないと思う。
     結果的には、私たちが普通の人間で、労働者である以上、疲弊して心身とも死に向かうか、仕事の手を抜くかしかない。この究極の選択で、教委はどちらを選べというのか?「指導せよ!」

    (2002−1−3)



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