きょういく大研究(2002.3.16)

元祖管理職講座 第一回

 このシリーズは、本来、アスクというまっとうな組合が、主宰するべきではなく、管理職の中で、有能かつ人間的にすぐれた人材を集めている「はず」の教育委員会なり校長会にその任がある。
 しかるに、そんな者が、教委や校長会にいるはずはないという圧倒的な世論に押されて、今回、アスクが恥ずかしながら講座開催に踏み切ったわけである。踏み切ったワいいけれど、踏切板から相当はみ出している場合もあるかもしれない。その際には、御叱責、ご批判、お世辞等々、読者の賢明な思考力と判断力に期待していきたい。
 まず、この講座の管理職ということばの明確な意味であるが、もちろん、管理・監督の任にある職種というような、ごく一般的な意味合いでは使っていない。
 管理職というのは、基本的に、学校の運営や活動に全責任が取れる人という現実的な有用性を持つ職種を指すのである。
 時々、何を勘違いしてか、教務主任や校務主任、学年主任が管理職であると思っている人がいる。これは、完全な間違いであり、職制のシステムの中で、ちょっとでも
「役職名」がつくと、偉くなったと勘違いする人たちに、ありがちな、初歩的なミスである。
 一応、校長だけが管理職である。そして、教頭は、校長がいないとか、なんらかの都合で不在なときのみ、管理職代理としての立場を維持することができる。
 時々、アスクが訪問すると、「今、校長が不在で、私にはちょっと分かりかねる」という教頭がいる。これなどは、自覚の欠如もはなはだしく、世間の言葉では、「やめちまえ!こにゃろー」という言い方になる。
 学校教育法二八条4.と5.には教頭の仕事を次のように定めている。
(4.)教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。
(5.)教頭は、校長に事故があるときは、その職務を代理し、校長が欠けたときはその職務を行なう。この場合において教頭が二人以上あるときは、あらかじめ校長が定めた順序で、その職務を代理し、又は行なう。
 この法律をキチント守っていないときは、管理職の風上にも置けない「おたんこなす」である。そして、校長の仕事は……
(3.)校長は校務をつかさどり、所属職員を監督する。
 このように、管理職というのは、校舎の管理から、学校における教育活動が滞りなく行なわれるような配慮、教育の条件の整備、職員の健康や安全性を確保し、みんなが、「気持ちよく気分爽快に働けるような職場にす る」ことが、重要な仕事なのである。
 最近では、教職員を、まるで、犬か猫のように扱い(最近は犬も猫もけっこう、美味しいもの食べて、楽しく暮らしているみたいだから、それ以下の気がしないでもない)、とことん、超過勤務で、しぼり上げようとしている校長も多いようだ。
 こういう校長は、完全な違法校長であり、管理職などというものに、もっともふさわしくないのである。しかも、こういう校長にかぎって、いざとなると、部下以上に「自己保身」に走り、こっちが恥ずかしくなるほどだ。
 ……しかし、この講座は誰のために開いたんだっけ。まあとにかく、続くのだ。

(2002−3−16)


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