きょういく大研究(2002.10.6)

機関誌あすく(2002.10月号)より

元祖管理職講座 第八回:続・労働時間について

 「みなさん、勤務時間を越えましたので、お帰りになりたい方はどうぞ。これから は、職員会は自由参加で、続けます」と校長が言った。どうしたらいいか?
 まあ、こんな職場は、目茶苦茶な職場である。でも、これが、居酒屋での飲み会な らわかる。わいわいがやがやと、だれも人の話を聞いていないような、喧騒たる居酒 屋であれば、これは、自由参加であるし、自分が支払った会費なんだから、当然「自 由」に参加すればいい。
 でも、職員会って、たとえ、居酒屋みたいにだれも人の話を聞いていなくても、と りあえずは「会議」なんだし、聞いてないと困ることもあるから、まあ、いた方がい い。そこで、何か決まっているのに、聞いていないと、明日からの仕事に差し支える。
 職員会は諮問機関です!と教委や校長が言う。これは、職員会でまともな意見が出 て、日の丸君が代が否決されたら、それが決定事項になり、困るからだという……そ れだけにすぎない。
 で、たしかに某県の一般的な職員会は、意見も出ないで、提案されたまま「通過」 するらしいから、最初から「あって、ない会」なのだ。そんな職員会にしたいらしい。
 それなら「全部校長が決めて、全部校長がやればいい!」と言いたくなる。ある学 校では「運動会に組体操はやめようと担当学年が決めたのに、校長が『やれ』と命令 を出した」という。本当に命令出したとすると、トンデモナイ。組体操の適否につい ては論議がある。でも、その論議をぶっ飛ばして、命令はないだろう。職員会でも紛 糾したのだが、「校長が決める」ということらしい。
 担任が全員生ガキでも食し、当日、腹痛にでもなって、病気休暇でもとったらどう か?と提案したい。争議行為の休暇は違法性がある(憲法上はないと私は思っている が)ので、まずいが、腹痛ならしょうがない。
 職員会は、論議や提案をしあいながら、それこそ「よりましな教育実戦」を考える 場である。この校長のような、品性の劣る、専門性もない「クソ提案」は、だだっ子 の、ワガママであるから、職員会には「校長は黙ってミルクでも飲んでいろ!」と言 いたい。
 さて、たとえひどい職員会でも、勤務時間が過ぎたので、帰りたい人は自由に帰っ て下さいというのは、間違っている。
 こんな校長は、もし、その教員が残って、文句でもいったら、「自由だと言ってい るのに残っているのは、アンタの勝手だから超過勤務ではない」ということが言いた いのだ。
 静岡の事件(昭和四三年四・六判決)では、自由参加の形式でも、校長が主宰し、 議事について、勤務時間内外に差がなければ、労働時間であると判じされている。
 こういう当たり前のことが、なんで裁判になんかなるんだろうか?不思議でしょう が無い。(わかる気もするけど……)
 一番の問題は、管理職や教職員の計画性の無さである。忙しいとか、大変だという のは、できないことをやろうとしているからだ。身の程を知るということができて いない。学校の仕事は、教職員が身の程を知るところからはじめるべきだ。
 できないようなことを教育改革と幻想をふりまく教育行政当局に、全国校長会まで 批判しはじめた!だが、遅いワ!


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