霊幻道士やゾンビというのはボクの好きなジャンルだ。最近は映画バイオハザード
でも、そのゾンビの理念は十分生かされていたので、悪趣味と言われるのを覚悟で書
く。ゾンビ文化の普遍性を強調したい。バイオハ ザードだって、ま、もとはコンピ
ューターゲームだったわけではあったけど、それなりに高い質のストーリーだ。主演
のミラ・ジョヴォヴィッチという女優が、えらくかっこいいなあとおもったら、あの
女性革命家ジャンヌダルクという映画に主演したんだよな! つまり、バイオハザー
ドはすごいんだと。(モダンゾンビの原典『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』
のJ・ロメロ監督が本来、この映画を監督するはずだったらしいけど)
さて、死者が生き返るというのは、「死んでも生きている」ということであって、
その思想性はグローバルで奥が深いと思う。決して、安直なものではないと思う。死
んだはずの物が、生を持って動き回るというのは怖い。
もともと、こういう話は、そのもとを探るとどこでも同じように宗教につながる。
成仏できない幽霊とゾンビの違いは難しいが、ゾンビは要するに基本的には人形であ
り、カニバリズム(人肉を食らう)主体である。同種の生き物を食するので怖い。
ものの本によると、ゾンビの宗教的な出自は一九二〇年代の「ヴードゥー教」奴隷
で、タヒチではゾンビが農作業に従事していたらしい。意志を持たずに働き、疲れ知
らずで、食料も必要としなかったらしい。生きる屍奴隷なのだ。ゾンビがクワをもち
ながら「今年は芋が小さいな」とか言ったんだろうか?
このゾンビはその後、いたるところで語られ、話題になり、映画化された。「死霊
のはらわた」「サンゲリア」とかは有名だし、ちょっとかわったところでは「ママ、
食べないで」、そして「ペットセメタリー」も何度見ても怖い。日本では「死国」な
んかもあるでしょ。
こういう話を平然とかつ面白そうにして、まかり間違うと、教育的な筋から、とん
でも教員!とラベルを貼られるが、実は、民俗学的にも、いや考現学的にもすごく価
値あるテーマなのだ。まず、そこのところをきちんと押さえておきたい。(何を押さ
えるんだ?(笑い))
さて、このゾンビが低学力とどういう関係があるかというと、それは非常にむつか
しく、簡単には言えない。三日くらいかかりそうだ。コーヒーだって十五はいくらい
は必要だ。
先月号で、ゾンビの話をしたが、ゾンビは、ほとんど無思考というか、判断する
のも一部のみ作動させ、他は何も考えないようになっている。お互いを喰い合うこと
はない(たまにあるが)、生きている人間だけを襲って食べることが、自己生命の維
持にかかせないという一点で存在している。
例えば、これは、低学力論争(「論争」と言えるかが又問題だが)に似ていないか?
「何か欠如している!」というキャンペーンは、「そうか足らないのか」→それじゃ
「確保しなきゃ」とか「生産しなきゃ」という単純明快な、「いくぞ一本道」的な、
話になる。
こういうキャンペーンが流行ると、岸本さんの『見える学力、見えない学力』が、
再版されて、大売り出しになる。学力がない!といっている和田さんたちも、「そう
だそうだ!の大売り出し」となる。直系弟子の蔭山さんも蔭山メソッドの「学力向上
マニュアル」が大売れで、それでもって、また向山さんが「TOSSのやり方もあ
るんだよ」と便乗商法となる。
教育学者のみなさんも、「真の学力とは」とか「学力の歴史」などを書きはじめ、
かくいう『お・は』も特集っぽく出した。
なんか、商売と低学力というのは、大いに関係ありそうだ。
子どもたちの学力が上がったのか?どうかは分からない。だいたい キョォーイ
ンっていつも「ちかごろの子どもはなっとらん!字も書けない!あいさつもできん!」
と愚痴っている。それが、習い性だとボクは思っている。さらに、「このやろー」と
いいながら、「もっと勉強せんかぁー!」と、怒り続けるのが仕事だとも思っている。
二八年もキョォーインをやっているが、むかしから「学力が低い」と言われていた
ような気がする。「昔はよかった」じゃなくて「昔もひどかった」のだ。一九五〇年
には「先生とも書けぬ:学力低下の実態」という見出しで新聞に報じられている。
「二部授業・教員の素質低下・社会環境が原因」と。
つまり、「学力は戦後、五〇年間ずーっと下がりっぱなし」と「言われ続けてきた」
というのがホントのところではないか? 実際に、本当に下がっているのか、どうな
のか?は分からないというのが真実だと思っている。よく、試験やテストの結果で
「判断」している人がいるが、それはあくまで「推測」にすぎない。「学力を診断す
るテスト」と「学力低下だあー」と思っている人のイメージが同じかどうか? まず
そのあたりか ら、検証すべきなのに、そうしていないのだ。そんなんでいいのかぁ?
(つづく)
(2003.9.30)