今回、愛知万博に県内の小中学校の児童生徒が動員されるときに、確認しておかなければならないことが、大きく分けて二つある。
今回は、今のところ、二つとも十分でないし、現場の教員として、仕事を責任を持ってやろうとした場合に、納得できるものではない。
つまり、今までの様子を、考え合わせると、現在の校長会や管理職らの推進感覚は、
「まあ、愛知県がやることだで、いっぺん見とくのもいいんじゃないか。一生に一度くらいだでこんなチャンスは。安全も、まあ、博覧会協会や教委がなんとかしてくれるんでないの。そうしっかり見れんでも、まあいっぺん、今度は、親と見にいくきっかけになるでええがね」という程度の考えしかないのではないかと想う。
また、本校が、「五・六年生ならまあ、なんとか引率できるかも知れないが、下見もしていない段階で、かつ混雑や万博運営が行事としては計画を立てるのに難しい決めが多いから、中低学年は困難極まるだろう」という、極めて「現場的現実的な教育論」で決定したことを、校長らは、「全学年参加しか選択の余地はない」と急に言い出している。そしてその理由も、
ということらしい。市内の校長は口をそろえて、同じようなことを言っている。安全で意味があれば、お金を出してでも行けばいいのだから、そこに、教育の論議はない。
野鳥の会など、自然保護団体が協力できないといい、「環境」「自然の叡智」万博というには、あまりにもお粗末な事実を見ると、まず、学校で万博を前向きに捉えることは、そうとう無理がある。
また、国際理解というのなら、各パビリオンが、子どもにも分かりやすく、学習に向いているのか? それもきちんと教えてもらわないと、行けない。行ったけど結局、国際理解どころではない……というなら、一日かけて(事前指導もそうとう必要だから、時間がかかる)行く価値があるかどうか? そのあたりを安心させてもらわないと、教員としては非常に困る。事前指導案も書けない。
まして、初めて行くところだから、しっかり下見して、教育的な意味合いを把握しておかないといけないだろう。それも、まったくやっていないで「決める」のだから責任問題は当然出る。
「環境」万博については、色々な市民団体からも抗議があるが、私自身もはっきりさせておきたいことがある。
それは、自分が住んでいる日進市に棲息していた絶滅危惧種「イタセンパラ」という淡水魚が、万博道路(名古屋瀬戸道路)建設のために、移されたが、移動先(碧南の水族館、保護池)でみんな死んだ。これって、環境教育上どうよ!
内覧会の新聞記事をみると、けっこう悲惨。正直、私は、再度「見学は止めたい」です。
条件としては、通常の教育計画を立てるように進めるべき。本来、無理しないように校外行事は計画するでしょ。それができない以上、見送るしかない。
一九日の内覧会は五万人の混雑だそうだ。一五〇〇万人の万博協会の予定で、半年なら、一日九万人前後。平日は、六万人くらいとして????? どうするの? あの内覧会より混むんでしょ。しかも、運搬バスの交通は大丈夫でしょうね。渋滞したら、子どもたちは、たまらんよ。
疑問をいくつか、別紙に書いたけど、クリヤーしなくてはいけない課題は多い。校長は責任を取れるのだろうか?
(2005.3.22)