2007勤務時間等勤務条件に関する要求書
2007(平成19)年5月25日
名古屋市立○○○学校 校長 様
本校教諭 岡 崎 勝
日ごろは、本校の勤務条件をよりよいものにすべくご配慮いただきありがとうございます。
つきましては、来年度の勤務時間等、勤務条件の改善を求め、下記の事柄を要求します。文科省の教員の勤務実態調査でも厳しい教員の労働実態が明らかになりました。今まで以上に、よりよい勤務条件を確保し、教育活動にゆとりを持って取り組めるようにしていただけるよう、強く要求します。
【主旨】
- ゆとりある勤務条件の実現は、教育活動の質を高め、効果をあげることができる。
- 現状の勤務条件を悪化させない。教職員の生活と健康を守り病人を出さない職場であるべき。
*憲法13条「個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重」
*労基法1条「労働条件の原則」
- 管理職には、教職員の意見を幅広く、きちんと、誠意をもって聞き、具体的な対応をすべき。
*憲法28条「勤労者の団結権・団体交渉権その他の団体行動権」
*労基法2条「労働条件の決定(公務員一部除外)」
*地公法55条11項「不満・意見表明の自由」
【要望事項】
- 勤務条件を悪化させず、善き伝統・習慣を維持発展させていただきたい。
- 勤務時間の割り振り、運用等は、全職員にきちんと明示していただきたい。
- 休憩・休息を、その主旨どおり確保すること。休息については、制度的に廃止されたが、「廃止理由」は学校教職員にはあてはまらない。したがって、休息の主旨「一定時間の勤務を続けた場合の軽い疲労を回復し、職務能率の増進を図る」を保持できるような実質的な休息として小休止を設けていただきたい。
*労基法34条「休憩」
*休息時間の廃止及び休憩時間の見直しについて(総行公第22号)
- 超過勤務が生じないように、学校運営をしていただきたい。
*義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置条例の施行について。(第三項)
{給特法についても}
*持ち帰り残業も「労働時間」であると、教員過労死裁判でも認定されている。
*2006年より文科省が実施の実態調査を参考にすること。
- 以上を実現するために、勤務の諸条件を整備し、勤務時間の割り振りや教特法22条2項の研修承認等の運用は、その主旨を十分に生かした柔軟な対処をしていくこと。
【要望事項の追加説明】
- 勤務時間関係の要望
2002年12月11日に、校長会が指示し、市教委が追認した内容に即して
(1)勤務時間8:15〜17:00
(2)従来通りの休息的な小休止を確保する努力をすること。実質的に保障できるような学校運営をすること。従来の「1.休憩 16:00〜16:45、2.休息は大放課:15分と16:45〜17:00(15分)」を踏襲すること。
(3)朝の打ち合わせは、8:25より行う。
(4)出勤簿押印時刻を通常は8:15とするが、校外・勤務学区での業務もあり得るので配慮すること。また、30分程度までのやむを得ない遅刻については、校長からの注意として処理すること。遅れた分を休暇として強制するのは違法であり、若干勤務終了を延ばすことなどで相殺すること。(度重なる場合は、別途方法で)
(5)午後4:15分をすぎたら、連続8時間以上の勤務になるので、勤務を中止することが原則であること。その時の「許可」は必要なく、あいさつ程度の確認で済ませる。
(6)その午後4:15分も、勤務地を離れる時刻であること。5時以降の労働は、黙示の命令であり、やむを得ずやらねばならない業務であることがほとんどである。その解消方法を常に追求すること。
(7)長時間労働の実態を認め、行事(準備)終了後など、勤務軽減のできる日は、機を見て適宜、校内勤務を解く等の「適切な配慮」をすること。(先年度までは、遠足、社会見学、運動会等、可能な限り、校内での勤務を切り上げる配慮がなされた。卒業式では、午後二時ごろに校内勤務を解き、入学式、始業式終業式などでも昼食時間を勤務時間に計上する配慮が為された。)
*事実上、勤務時間の前後に、つまり時間外労働による『行事・授業・事務他の準備等』が存在する。これを予定、あるいは前提としてしか成立していない学校運営は望ましいものではなく、違法ですらある。この傾向は、文科省の実態調査にも明らかである。違法な時間外労働が厳然と存在するにもかかわらず、改善されていない。それは、本校でも同様である。したがって、管理責任者である校長として、こうした事態を改善する努力を約束して頂きたい。
休憩・「休息」小休止に関する要望
(1)原則は「休憩時間を条例通り、昼頃確実に取れるように努力し、連続8時間労働にしないこと。」
*「学校職員の勤務時間に関する規則」第四条(11〜14時までに休憩を!)
(2)午前中の休息(小休止)が恒常的に確保できるように管理職は継続的に努力すること。
- ゆっくり休憩・休息できる場所を確保すること
- 子どもへの指導が、原則必要でない状況をつくること
- 休憩・休息中の子どもの事故等への対応と、教職員の責任問題についての対策をたてること
- 保護者や子どもへ、「休憩・休息中」を周知させること
- やむを得ずに指導等につく場合、校長からの命令方法を明確にすること
- 休憩・休息中に会議、打ち合わせを、あらかじめ入れないこと
- 休息中に学級・学習指導等の必要性がある場合の「休息」の確保について案を出すこと
→上記7点への対策が子どもの実態にそぐわず、不充分になる場合は、校長は、休憩・休息の「確保への努力」をしつつ、上記2の(7)の通り、勤務時間の割り振り等の運用を、柔軟にし、「適切に配慮」すること。
八時間勤務に関する確認
(1)持ち帰り残業、居残り残業は1における「勤務時間の割り振り」を、結果的に無視することになるので、そうならないような計画的な学校運営が十分になされること。
(2)会議等は午後4時までの計画とすること。
- 勤務時間外に勤務をしているのが通常。サービス残業を放置しておいて、休憩や休息等、勤務時間の悪化を「きちんと厳正」にやるのは、整合性に欠く。
- 労基法32条「使用者は……8時間を超えて、労働させてはならない。」
同109条に罰則規定あり(労基法は強制法規なのです)
- 勤務時間の管理は使用者の責任・義務(労働厚生省通達)
教特法22条2項の研修についての確認
(1)長期休業中は会議・作業等を計画せず、学校外研修(自宅研修等)が十分に取得できるように、機会を与えること。
(2)研修報告は、形式にこだわらず、必要以上に細かくならないような配慮をすること。
(3)報告書は最大5日分くらいにつき一枚でも承認すること。
行事日等の午後は、会議等をできるだけ予定しないで、教材研究・研修等に時間を使えるようにする。半日研修を利用できるようにすること。
(4)授業日であっても、申し出があれば、校外での研修他ができるような配慮をできるだけすること。
*教育公務員特例法22条2項には、「授業に支障がない」と「所属長の承認」という条件だけで、勤務場所を離れて研修ができるとある。1日または0.5日しか 認めないというのは、違法性がある。
*県教委は2003-3-18 ASCUとの交渉で、「校長が認めれば、課業中に時間単位の20条02項の校外研修もありうる」(吉田管理主事)と述べる。
(5)3.18県教委の研修の見解、できるだけ研修の機会をもつことという見解を重視すること。
(6)「自宅でないとできない研修」にこだわる法的な根拠はない。本来の研修主旨を著しく狭くとらえ、結果的に研修が取れないような事態を招かないようにすることが肝要である。
以上の要望に誠意ある対応をしていただきたい。また、もし大筋においてすら異議があれば、また、一向に改善が見られない場合は、地公法による、私の所属する組合と交渉を持っていただきたい。
以上
(2007.6.3)