火入れ・矯め

火入れで竹素材の繊維を硬くし、火入れにてやわらかくなった所を矯めといって真っ直ぐに矯正する作業になります。 そして、丸竹ロッド製作の中で一番難しくて熟練を要する工程になります。 つまりは、焦した本数と矯めで折った本数、そして実際の釣りに使用して折った本数に比例します。 そして、私の最初のころの丸竹ロッドもそうですが、作り始めた人の丸竹ロッドに共通するのは火入れ回数が少ないということです。

火入れには炭火で行うのがベストですが、お手軽ということもあってガスコンロを使用しています。 ただ、炭火の遠赤外線とは火力の違いがありますので遠火で回転と前後の動きを止めないようにしています。

以下の写真は最初の火入れを実施したブランク材です。

火入れした竹素材@

火入れの回数は竹の種類や固体ごとに違いますが、私の目安としてはブランク同士を叩いてときに乾燥した音がしたり、1週間ほど置いておいても曲がりが出ないようになるまでです。 そして、部分部分を手で曲げてみて張りが均一かどうかを見て火入れを行っています。 そもそも、自然の素材ですから均一の火入れはありえないと言えます。 が、ただ闇雲に竹を切ってくるのではなく均一の素材を吟味して無駄に取ってこないことも重要です。

そして、間隔は1週間ほど置いてから火入れや矯めを行っています。 別に、深い意味があるわけではなく会社勤めの関係から土日の作業になるためです。

火入れした竹素材A

火入れ中はブランクの組み合わせが判らなくなるので紐で束ねておきますが、本当のところは竹が空気中の湿気を吸い込んで元に戻るようにするために束ねないのが良いとは思います。 が、自分としてはどちらが良いのかの結論は出ていない。

作成日:2006/08/02

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