<シャント>

正式には「内シャント」と言うそうです。
腕の静脈血管から「血液」をいったん体外へ出して、
「ダイアライザー」という小さな筒状の「濾過装置」を通します。
綺麗になった血液を、再び静脈へ戻して、血液透析は終わります。

しかしこの静脈では、血流量が足りないので、
手首のところで動脈と静脈を直接つなぎ、「太くて血流の多い静脈」に変えておきます。
これをしておかないと透析は出来ませんので、あきらめて手術は受けてください。
1時間程度の手術で終わりますから、落ち込まず受けて下さい。
なにしろ、まだ透析開始が決まったわけではありませんから、気楽に気楽にです。
長い人で、数年間透析せずに持ちこたえた人もおられるそうですから。

ほとんどの場合は、これでいったん退院です。
これには大きな理由が二つあります。

ひとつは、患者さんはまだまだ透析は嫌ですから、諦めがつく時間をあげるわけです。
最後には、ご飯が食べられない、足が痛くて歩けない、挙句の果てに救急車で運ばれてくるまで
患者さんに、とことん抵抗させてあげるわけです。
押し付けで、透析を始めさせられたという、被害者意識を持たせないようにするためです。

もうひとつは、血液を取り出す静脈が、透析に耐えられるまでに、
太く丈夫になる時間が必要だからです。
私はシャントから透析まで、一気にやってしまいましたので、静脈がまだまだ針刺しに耐えられず
何回も内出血を起こし、さんざん痛い目にあいました。

今思い返せば、いったん退院すべきでしたが、これも体験と言う勉強でした。
静脈血管を丈夫にするため、柔らかいゴムを握る運動は、
とても重要な意味がありますから、頑張ってください。

このシャントが潰れると、透析が出来ませんから、出来るだけ守りきらなければなりませんが
これらについては入院中にしっかり教育を受けますから、真面目にやっておいたほうが、後で泣きませんよ。


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