<私の食事> |
2ヶ月間の入院を終えて、自宅での療養生活が始まりました。 私は劣等生ではありましたが、「農学部畜産科畜産物利用学」の卒業生でして、 少しは栄養学は理解できます。 入院中は色々な小冊子や、パンフレットをたくさんくれて、栄養相談個人面談もあります。 これらの教育は、とても大切なものになりますから、しっかりと学んでください。 私は理論だけはプロですが、実際の「カリウム制限食」は食べたことがありません。 パンフレットによれば、あれもダメ、これもダメと厳しいことが書いてあります。 ところが、入院中に出てくる食事は「カリウムが多い注意食品」となっている素材が、 結構使われていました。 白米900グラムの食事は辛いものでしたが、私の興味は料理法でした。 もともと塩分は以前から制限していましたので、病院食は物凄くおいしかったのです。 それでも、えっ、こんなもの食べていいのという、高カリウム食品がぞろぞろです。 品目、量、料理法、味付けなど、しっかりと目に焼きつけ、 頭にインプットさせるのに懸命に努力しました。 お魚のお肉も、煮たり焼いたりしてありましたが、この「ぱさぱさの味」は何だろうと疑問です。 よっぽど安い、低級品を使っているんだろうと思っていましたが、 いや、ちょっと待て、これは全部一度茹でてあるんだと気が付きました。 カリウムもリンも、脂肪も、流せるものは全部流しちゃおうとしている。 確かにこの食事を一ヶ月も続ければ、血圧も下がるし、 血糖値も下がるし、カリウム、リンは上がらないわ。 退院して自宅に戻った私は、料理は私が全部作ると宣言しました。 最初の日、奥さんと一緒にスーパーに行き、湯でこぼして使える野菜、お魚、お肉を買い込みます。 日用品コーナーで、冷凍も電子レンジでも使える容器を10個買いました。 ついでにキッチンタイマーとキッチン秤も、一緒に買い込みます。 何の料理を作ろうか、ということではありませんから、頭を悩ますことはありません。 とにかく、小松菜、しいたけ、シメジ、ブロッコリー、絹さや、小海老、サーモン、豚肉、鶏肉 片っ端から、3〜5分茹でた後、冷たい水道水で冷やし、しっかり水を切ります。 この水気のなかには、カリウム、リンが含まれていますから、捨てたいのです。 この時点で、私はこれらの食材を、を煮たり炒めたりしようと考えていました。 でも慣れない料理で、結構疲れてしまったのですね。 もう面倒で、腹も空いていましたから、ええい、このままサラダで食べちゃえと手抜きです。 大皿を1枚だけ用意し、湯でこぼした素材を並べていきます。 ほんの少しずつですが、これだけの種類が乗ると、壮観です。 物足りなさはまったく感じません。 冷蔵庫には市販のノンオイルドレッシングがありましたが、塩辛すぎて食べられません。 そこで小さじ一杯のマヨネーズに、お酢をたっぷり入れて、増量させます。 素材から油抜きしてあるので、たっぷりと「エキストラバージンオリーブオイル」を足し、 レモンの絞り汁と粒黒胡椒を少々入れて、マイドレッシングの完成です。 我ながら、こんなにおいしいドレッシングは生まれて初めてでした。 そりゃあそうですよね、作りたての、最高級のオリーブオイルですよ、うまくないわけありません。 このドレッシングを小皿に入れて、サラダにかけるのではなく、付けて食べるのがコツです。 不思議でした。 毎日これです。 どうして飽きないのか、わかりません。 どうやら、味付し過ぎた料理が、飽きるという感覚にさせるようです。 何もしない、素材だけの味が、食べ物の本来の味のようです。 皆様も騙されたと思って、やってみてください。 今日の献立に悩むこともありません。 しょうゆ味、味噌味、マヨネーズ味、お好きなものを作ってみるのも面白いですよ。 ただし、オリーブオイルだけは高いのを探してください。 こんなにも、ピンからキリまで、味が違う油脂はありませんから、お金はケチらないことです。 やっぱり漬物は欲しいですよね。 茹でこぼすということでは、料理法は一緒ですから、ピクルスを作ってみました。 一般のレシピを変化させ、酢と水を3対1で、大目の砂糖、少な目の塩を煮立て、冷ましておきます。 新ショウガ、赤ちゃんキュウリ、ミョウガなどをしっかり茹でこぼし、冷えた酢液と一緒にビンに詰めます。 保存が目的ではなく、浅漬けとして食べますから、この程度の酢で良いと思います。 まあ、こんな具合に、楽しむことです。 少しでも参考になれば幸いです。 後は、ブログでいろいろ体験談を載せていこうと思っています。 |
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