ナポリの印象
旅行社が企画する南イタリア観光でナポリに宿泊するツアーはあまり見かけない。近くのカプリ島やアマルフィー海岸で宿泊し、ナポリは市内は、バスで車窓から観光することが多い。理由はスリや置き引き等犯罪が多い街として知れ渡っているからだ。確かにナポリ中央駅周辺の夕方は、道路は露天商であふれ通行もままならない。トレド通りの西側にあるスペイン地区には近づかないようにと聞いていたので入らなかったが、言葉も地理もわからない私が、事故もなく計画通りの観光ができたのは、親切なナポリの人々に助けられたからである。
カポデモンテ美術館行きにバスを利用したが、車内の大人や子供が口々に教えてくれ、バスを降りた後もしばらく案内していただいた。サンテルモ城に行くミニバスは、停留所でないところでも運転手がバスを止め、乗車させていただいた。親切な人が多い反面、街がゴミであふれてとても汚い街であることも事実だ。バスの車内でオレンジを食べ、バス停で扉が開いたら包み紙と皮を放り出した中年のおばさんの行為には驚いた。新聞紙や雑誌、ビニールの包装用紙が道路脇にあふれている。価値観の違いとはいえ北部イタリアの都市とは違っている印象を持った。 |