Parkette
          

                               (前 期 型)

                               (後 期 型)
 


  Parker Parkette

 (前期) 1934年〜1939年
              }販売
 (後期) 1952年〜1953年


 

 
       
  「類を見ないクリップ」   「PARKETTEの刻印」   「インクフィラー・レバー」  


 Parker社において、”常に良いもの(改良に心がけて喜ばれるもの)をお客に提供するのを使命”としていた。1932
年に、Parkerはレバー式インクフィラーを導入したのである。それが「 Parkette 」であり、1934年の最初に販売され、クリップは三連の山形 (剣デザイン)のものであった。
 「
Parkette」は、「 Gray & Green 」、「 Gray & Red 」、「 Green  marble 」、「 Red  marble 」の4種類の色で登場した。ペン先(Nib)は、14kでアメリカで作られた。私の所有している 「Parkette」は、キャップバンドは2本である 。1934年に発売されたものは、天冠(tassies)に1個のリングと3個のキャップリングの合計4つのリングが着けられていた。

  「シンプルなオープンNib」   「全長120o」   「セルロイドのパターン」  


 
Parkette」は、前期19341939と後期19521953年に製造されている。当初の構想は、スクールペン (安価な普及品)として開発されたもので合った。Parker Penには多くの万年筆がある中で、個性的で珍しいものの一つである。その第1の理由は、レバーフィラーであ る。また、キャップクリップが矢形でなく、リベットで留めた山形(剣デザイン)のものであった。
 
Parker社はカナダへも進出してい た。1920年代中頃までにトロントにカナダのParker Pen工場を確立させていた。19341939の間、このParketteシリーズ のほとんどが、カナダのトロント工場で生産されたようである。
 
1934年の最初のものは 、Economyモデル として「
Parker Parkette  Deluxe」で 、キャップには金の3連のバンド が付けられている。インクの充填は、バレルの横にあるレバーによって行う方式である。

  「シックな天冠(tassies)」   「上 1935 Green Marble」
「下 1935 Gray & Red    」
  「12角形のGreen Marble」  


 この前期タイプの「
Parkette」の仕様は、
 
色は グリーン・マーブルで、ペン先(Nib)は14金のオープンNibである。ペンの大きさはキャップをバレルエンドに付けた状態で、長さは147mmである。キャップをした状態での長さは123mmである。万年筆のキャップの直径は、13mmで、バレルの直径は、12mmである。

  「Green F.PとRedのS.P」   「トロント工場」   「初期のParkette」  

  後  期  型 (追 加 '07-08-08)

「上 後期型」「下 前期型」

「左 前期型」「右 後期型」 「左 前期型」「右 後期型」


 Parker社の製品の中で、唯一のレバー・フィラーを導入した万年筆である。低価格な万年筆として生産されたもので、当時の価格で30〜60ドル程度であった。追加で紹介するのは、1952〜1953年に販売された後期型の「PARKKET ZEPHYR」である。写真から分かるように、後期型はサイズも1pほど長く、バレルは逆に細くスマートになっている。
 キャップでは、クリップの形状が
Striped Duofold(1940年代)の形状と同一であるが、インプリントが「PARKKET」となっている。tassies(天冠)もクリップの形状が変わっ ている。それは、半円形の黒いプラスチックから円錐形のものに変わっている。この形状はParker Victory Mk W」、「 Parker Challenger に似ている。
 

「レバー・フィラー」 「上 後期型」「下 前期型」 「透明部分セクション」


 「Zephyr」(微風)と命名された後期型「Parkket」は、「
Parker Televisor 」、「Duofold "Geometric"」と同時代の製品である。バレル(胴軸)やキャップの模様は上位機種のそれらに劣るとは思えないほどのものである。
 バレルには「PARKKET」とはっきりインプリントされていて、「MADE  IN  U.S.A.  BY  PARKER 」の文字は小さいものとなっている。
 「Parkket」は、Parkerのセカンドライン製品であるため人気がなかった。そのためその販売は短い期間の製品となってしまった。しかし、セクションの半透明な部分を取り入れた構造は「Parker Televisor 」に導入されていたものである。この万年筆を当時購入して使用していた人は重宝されたと思われる。レバー・フィラー式のインク吸入は他の多くのメーカーも導入していた 。しかし、パーカーが革新的な「Vacumatic Filler」方式の導入を進めた。そのため、パーカー製品の中では、この万年筆だけとなってしまった。